曽爾村の求人情報

曽爾村の山づくりのお手伝いをするお仕事

業種

森林組合職員(業務課)

募集期間:

2025.08.04~

俱留尊山や亀山、屏風岩など、数々の山に囲まれた美しい火山地形の谷間にある曽爾村。

曽爾村をぐるっと囲む山々が生み出す四季折々の美しい風景に、筆者は日々癒しを与えてもらっています。

そんな曽爾村の美しい景観は、陰ながら山に携わるたくさんの人の努力で保たれていることをご存じでしょうか。

今回の求人は、村の景観の一翼を担う山林の維持に奮闘する方々のお仕事のお話です。

森林組合ってどんな組織?

───森林組合って名前はよく耳にするのですが、普段あまり接点がなく、どんな組織なのかよく分からなくて…。

「山の管理って、1人でできることは少ないんですよ。だから、山の所有者さんが集まって共同で管理する必要があるんです。森林組合とは、簡単に言うと、森林の所有者さんたちが出資して設立された協同組合のことです。所有者=組合員という認識ですね。組合員さんたちが所有している森林を管理・整備するなど、山作りをお手伝いするのが、森林組合の役目です。曽爾村森林組合では、約1,900haの山を管理しています。ちなみに組合員数は、令和6年度末時点で、480名となります。」


笑顔でお答えいただいたのは、曽爾村森林組合業務課長の奥田 昌宏(おくだ まさひろ)さん。

───そんなに多くの組合員さんがおられるんですね!実際に森林組合さんは組合員さんとどのような関わり方をしているのでしょうか。

 

「僕たちは、組合員さんの山づくりのお手伝いをしています。日々『山を間伐したいねんけど…。』『あまりお金を掛けずに山を維持するにはどうしたらいい…?』など組合員さんが所有している山に関するご相談をいただきます。そんなときに、僕たちが『補助金を使って間伐ができますよ』『こんな事業をしたらご負担なく、山林の手入れができますよ』などの提案をしています。そこから一緒に要望を叶えられるような計画を立てたり、組合員さんが希望する山の管理に適した事業者さんを見つけたりと、組合員さんのサポートをしています。」

 

───何かお悩みがあったときに、森林組合さんの事務所に来たら一緒に相談に乗ってもらえるというのは、心強いですね。実際に現場で手入れされるのは、どういった方なのですか。

 

「山の大きさにもよりますが、組合員さんご自身でされたり、村内の林業事業者さんに声を掛けさせてもらうことが多いですね。場合によっては村外の事業者さんにお声掛することもあります。小規模かつ近隣にある現場だと僕たちが作業を担わせていただくこともあります。」

 

───山の規模によって対応が変わるんですね。実は私、曽爾村の山をみてすごく癒されているんです。こんなにきれいな景色はどのように維持されているのでしょうか。

 

「そんな風に言ってもらえるのは嬉しいですね。でも実は、きれいな景色にみえる曽爾村の山林ですが、山を管理する担い手が不足し、かつて植えられた木々がそのまま残ってしまっている状況でもあるんです。今ある曽爾村の木々は、林業が栄えていた時代の、私たちの曽祖父や、それよりもっと前の先代たちが植えてくれたもので、当時は林業ってすごく儲かる時代だったから、孫や、その先の子孫たちが木とお金に困ることがないように、沢山植えてくれたんだと思います。だけど時代が変わって国産材の需要が無くなると、林業の担い手が一気に減り、山林を所有している人々もどんどん高齢化していき、放置されてしまっている木々が増えてしまっていますね。」

 

───放置されているようには見えない曽爾村の山でも、そのような問題が発生してしまっているのですね。

 

「以前、山に入って作業しているときに、床柱として昔は高価に取引されていた絞り丸太が、組合員さんの山に置き去りにされてしまっている光景を見つけたときは悲しくなりました…。そんな経験もあり、『この村の放置された山林をどうにかしたい』という気持ちを持ちながら仕事をしています。森林組合として、この村の山のためにやれることはまだまだ沢山あるはずだと思っているんです。」

森林組合の仕事内容

───「曽爾村の山のために」という想いを持ちながら、組合員さんの山の管理に関するサポートを主にされているんですね。他にも取り組まれていることはありますか。

 

「そうですね。主に『森づくり』『木づくり』『村づくり』『人づくり』の4本の事業を実施しています。」

 

詳しくそれぞれの事業内容をお伺いしました。

 

●森づくり

・間伐事業

・山林境界の明確化

曽爾村では、山林所有者同士の境界がはっきりしていないことが多くあり、境界を明確にすることで事業をスムーズに進めることができます。

・里山整備

曽爾村の美しい景観を維持するため、皆伐~草刈まで計画的に取り組んでいます。

●木づくり
・小径木・原木の展示即売会

樹齢が低く、細い直径(14cm以下)の木や原木の即売会を運営しています。

●村づくり

・山と漆プロジェクト

令和元年に発足し、漆の植栽地の維持管理として、草刈や獣害柵の設置・補修を行っています。

・獣害対策

曽爾村役場の地域建設課と連携し、山と人里との緩衝帯整備を行っています。

●人づくり

・指導事業

草刈などの業務をお手伝いしていただく村民さん向けに、安全講習会を毎年秋ごろに開催しています。

・機械点検会の開催

チェーンソーや草刈機の修理をしている業者さんを呼び、組合員さんの機械の無料点検を実施しています。

・雇用促進

地域経済の活性化に向けて、高年齢作業員を積極的に雇用し、若年齢作業員への技術継承を進めています。

───想像していたよりもかなり多くの事業をされていて驚きです。ちなみに、奥田さんがおられる業務課では、どのような仕事をされているのでしょうか。

 

「業務課では、組合員さんからのご相談対応や、測量等の現場仕事の日々の業務に加えて、村から受託している里山整備事業など、複数の中長期プロジェクトを並行して行っています。他の林業の事業者さんは、雨の日は現場作業ができないからお休みということも聞いたことがあるのですが、僕たちは雨の日でも、測量図面作成などの事務仕事が多くありますね。やはり、村から受託している事業も多くあるので、書類をきちっと整える必要があるんです。ちなみに、山での現場作業と、来客応対や事務作業などの事務所での作業は半々ずつくらいの業務量のイメージです。」

 

───事務作業をこなしつつ、複数の中長期プロジェクトを進めていくのは、すごく難しそうに感じます。未経験からの挑戦だと、やはり大変なのでしょうか。

 

「全く未経験でも、資格を何も持っていなくても、ここに来てから学んでいただくので大丈夫です。ちなみに僕も未経験からなのでご安心ください(笑)。最初の1年は僕と一緒に仕事の流れを覚えてもらって、必要な資格を取得しながら、焦らずゆっくり仕事を覚えてもらえたら嬉しいです。」

 

───入社してからは、どのような資格を取ることができるのですか。

 

「フォークリフト免許の取得や、刈払機取扱作業者安全講習、チェーンソーによる伐採等特別教育の受講は必要ですね。未経験者でも林業に就き、必要な技術を学んでもらうため、林業経営体に採用された人に対し、講習やキャリアアップを支援する国の補助事業『緑の雇用』制度のフォレストワーカー(林業作業士)研修を通して、その他の資格を取ることもできますよ。」

 

───林業未経験でも安心して始められる環境が整っているのは心強いですね。

 

「『緑の雇用』制度などがあり、新たに林業に挑戦する環境は整っていると思います。しかし現実問題として、曽爾村森林組合は従業員が2人だけという人手不足の問題に直面しているんですよね。例えば『木づくり』の事業に関しては、小径木・原木の即売会を昭和48年から続けていたのですが、人手が足らず、即売会は一旦やめておこうという話も出てしまっているんです。足場丸太などに使用されている小径木はあまり市場には出回らなく、奈良県内で唯一曽爾村が取り扱っていて、そんな希少価値の高い小径木・原木の展示即売会は曽爾村のアイデンティティでもあると思うんです。いつも買いに来てくださる事業者さんや出品されている村内の方から、続けてほしいという要望もいただいているので、僕たちも何とかしたいという気持ちが強いですね。」

森林組合で働いている人たち

───人手不足の問題は、なんとか解決したいですよね。

 

「人手不足でしんどい部分もありますが、『山を持っていてよかったなと思ってもらえて、最終的にありがとう、と言ってもらえると嬉しい』と、奥田さんとよくお話しすることがありますね。」

と、お話に入ってきた総務課の辻さん。

奥田さんと二人三脚で森林組合を支えている辻さんからもお話を伺いました。

 

───辻さんはどういった経緯で曽爾村森林組合に入社されたのですか。

 

「ブライダル業界のお仕事や、製薬会社の総務、税理士事務所にも勤めたのですが、いろいろ疲れてしまって…。もう少しゆっくり働きたいなぁと思っていたところ、ドライブやツーリングでよく来ていた曽爾村で森林組合の求人に出会いました。当時の面接官だった奥田さんの金髪には驚いたのですが(笑)、すごく丁寧にお話ししてくださって心地よかったんですよね。」

 

───入社して約1年とお聞きしましたが、実際に働いてみてどうでしたか。

 

「奥田さんの柔らかい人柄のおかげで、お仕事をやりやすくしてもらっていますね。奥田さんが1人で組合を回していた時期もあり、森林組合の仕事全体を網羅してくださっているんです。総務課のこともなんでも聞けるのがありがたいです。あとは、総務課のお仕事に留まらず、外作業のお手伝いをやってみたいなと思っていたら、奥田さんは『女性にはつらいと思うよ』などと線を引かずに、『やってみる?』と挑戦させてもらえて、すごく嬉しかったですね。」

 

───いろいろ挑戦させてもらえる環境はとてもやりがいがありそうですね。辻さんから見て、奥田さんはどんな方だと感じていますか。

 

「すごく気遣いが細やかな方ですね。山に入るときに『そろそろマムシがいる時期やから足元に気を付けや』『服にマダニ付いてないか見いや』とか、きめ細かにアドバイスしてくださるんです。村の人からも『奥田君こないだ見かけたで』『奥田君やから任せられるねん』というお声をよくいただくんですが、細やかな気遣いを誰に対してもされていることが、組合員さんや役場の方々からの信頼につながっているんだと思います。」

 

───新たに入社される方も、奥田さんのような方にお仕事を教えていただくのは心強そうですね。実際には、どんな方が森林組合に向いていると思いますか。

 

「先入観で嫌だと思ってしまうより、一緒に行動できる人がいいかなと思います。例えば、『山と漆プロジェクト』でいうと『漆』という言葉だけで『かぶれそうで嫌だ』と思ってしまう方がいるんですよね。でも実際に作業するときは、手袋を二重につけるなど、対策をしっかりして作業に臨んでいます。なので、どんどん挑戦するタイプの人の方が向いているかもしれないです。」

 

───辻さんの森林組合に対する想いをぜひ聞かせてください。

 

「現実にあるもどかしさを何とかしたい思いはありますね。組合員さんの中にも自分の山がどこからどこまでの範囲かわからない、そもそも山に関心がないという方々が実はたくさんいらっしゃるんです。今よりも、さらに相談しやすい組合の雰囲気を作り、『眠ったままになっている山でもこんな風に活用することができますよ』『今こんな風に山を手入れしたら受け継がれるご家族の方も楽ですよ』といった提案がたくさんできたらいいなと思っています。」

 

───最後に、お二人から未来の仲間に向けてメッセージをお願いします!

 

辻「難しく考えずに、毎日楽しむ気持ちをもって日々を過ごすことができる方やったら、安心して仲間に加わっていただけると思います。」

 

奥田「僕は、この村の放置された山林をどうにかしたいって気持ちがあるんです。そして、組合員さんから『ありがとう』って感謝されるとやっぱり嬉しいんです。ぜひ一緒に曽爾村の山林を守り、その嬉しさを分かち合えたらなと思います。」

 

普段、曽爾村で生活している中で、何気なく村の山に囲まれた美しい景色を楽しんでいた筆者でしたが、この美しい景色を守ろうとしている方々の陰ながらの努力があってこそだったんだな、ということを取材を通して実感した一日となりました。

 

曽爾村の山林を守りたい、いろんな人を笑顔にするために働きたい、そんな想いをお持ちの方は、ぜひご応募ください。

募集要項

企業名

曽爾村森林組合

募集職種

森林組合職員(業務課)

雇用形態

正社員
雇用期間の定めなし

給与

・基本給
200,000円~240,000円

・手当
通勤手当 ~20,900円
住宅手当 20,000円を上限に家賃半額補助
扶養手当 3,000円~16,000円

福利厚生

・保険(雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金保険)
・退職金制度あり(就業規則に準ずる)
・賞与年2回(前年度実績)
・前年度有給休暇取得率80%以上

仕事内容

・現場の立会、測量、写真撮影(現地での作業)
・入札や契約にかかわる業務、官公庁への提出書類作成
・現場管理および事務全般(来客応対、電話対応、測量図面作成 他)
・市売業務(ユニックトラック・フォークリフトを使用した木材の集荷、配列、積込)
・各種森林整備(植林地の間伐、伐採跡地の下刈り、漆の植栽や植栽地への獣害対策)
・チェーンソーや刈払機を使用しての軽作業(年間30日程度)

※事務所内作業と現場作業の割合は半分ずつぐらいです。

変更範囲:変更なし

勤務地

【事務所】曽爾村今井97番地
曽爾村内山林にて現場作業があります。

変更範囲:変更なし

勤務時間

8:00~17:00(休憩時間 12:00〜13:00)

休日休暇

・週休2日制(土・日)
・祝日、年末年始
・夏季休暇(5日間)
・6ヶ月経過後の年次有給休暇日数 10日

応募資格

選考基準


求める人物像

採用予定人数

1名

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