企業研修型地域おこし協力隊『曽爾村の環境を守り隊』の隊員募集

曽爾村の中央を走る県道81号線沿いに、『曽爾村の環境を守り隊』と大きく書かれた看板を見つけました。

 

「有害鳥獣駆除」「空地・田の草刈」「伐採」「空き家の整理・片付け」といった、具体的な作業内容が目を引く大きな看板。

看板を隅々まで見てみると、「有限会社小山土木」の文字があります。

 

「土木」とは一見関係が無さそうに思える「有害鳥獣駆除」や「空き家の整理・片付け」という作業内容ですが、一体、『曽爾村の環境を守り隊』とは何なのでしょうか?

 

今回の求人記事では、『曽爾村の環境を守り隊』について小山土木さんにお話を伺いました。

 

有限会社小山土木の成り立ち

───『曽爾村の環境を守り隊』という看板を掲げているのは、小山土木さんですよね?

小山土木さんがどういった会社なのか、教えてください。

 

「小山土木は25歳のときに立ち上げて今年で36年目です。

立ち上げ当初は村外の現場で仕事をしとったけど、徐々に村内でもするようになりました。

今は4名の社員がいて、そのうち3名が土木施工管理技士の1級、そして1名が2級を取得しており、年代は30~50代と幅があります。」

 

───そう語るのは、小山土木社長の小山義也さん。

───ずいぶんとお若いときから起業されたんですね!土木のお仕事って、どんなことをするんですか?

 

「立ち上げた当社は日本がまだバブル期やったから、道路など色々と新しく作っていく時代でしたね。今は、当時作られたものを維持していくことが土木の大きな役割で、草刈りから橋台の耐震補修など、多岐に渡る業務をしています。『昔作ったものを、今維持する。』自分が手掛けたものが、その地に残っていくっていうのが土木の良い所ですね。」

 

───私たちが暮らしている地域と環境が、いつまでも「安心・安全」であるように、知らぬ間に守ってくださっているんですね。

 

「それが土木のやりがいだと思っています。利益追求よりも、やりがいや楽しさを重視してここまでやってきました。」

『曽爾村の環境を守り隊』が生まれたきっかけ

───『曽爾村の環境を守り隊』の看板を見たら、小山土木さんが「協賛」となっていたのですが、『曽爾村の環境を守り隊』とは、一体どういった経緯で作られたのでしょうか?

一見、土木に関係のなさそうな作業内容もあったので気になりました。

 

「先ほどもお話しした通り、小山土木はもともと村外の仕事が多かったのですが、『曽爾村でもなにか貢献できることはないやろか』と考えていた折に、曽爾村役場の『企業研修型地域おこし協力隊』の話を聞いて…。『これや!』って思いついたのが始まりです。」

 

───「これや!」って何を思いついたんですか?

 

「やっぱり曽爾村で生まれ育って、この地で生活しているからには、『土木』という垣根を越えて村に貢献できる何かをしていきたいなと思ったんです。

曽爾村は高齢化や若者の村外流出でどんどん過疎化が進む地域なので、過疎地域だからこそ生じる諸問題を解決したい。それ以外にも、里山再生事業の伐採跡地を見て、曽爾村の景観や環境を守り取り戻すために何かできることはないか、など色々考えました。」

「課題解決以外にも、曽爾村の地域資源を活かした新しい観光コンテンツを生み出して、自分が『楽しい』と思える新しいことにもチャレンジしていきたいんです。

そういったことを、小山土木から派生する新しい軸で事業化できないかと思いついたのが、『曽爾村の環境を守り隊』が生まれたきっかけです。」

 

───「小山土木から派生する新しい軸で事業化」ということは、『曽爾村の環境を守り隊』は、小山土木さんの補足事業のようなものでしょうか?

 

「そうですね。いずれ『曽爾村の環境を守り隊』の事業が形になってきたら法人化したいと考えていますが、基盤に乗るまでは事業をするための装備や道具、ノウハウなどのバックアップを小山土木がしていきます。」

 

───心強いですね。ところで、課題解決から観光コンテンツの企画…。思いついたアイデアが幅広いなぁと思いました。今まで土木の世界をメインにお仕事をされていたのに、どうしてそんなにも様々なアイデアが湧き出たんですか?

 

「基本的に、仕事においてもプライベートにおいても、人に迷惑をかけるようなことはしたくない。また、人と同じようなことはしたくないという意識が根幹にあって、そこに自分自身が抱いている『〇〇をしたい』『〇〇が好き』という思いを掛け算すると、自然とアイデアがどんどん出てきました。」

「昔からお腹いっぱいに仕事があれば、みんな満足するはずなんですけど、小山社長はそれで満足しない人なんです。小山社長のなかで、誰もが想像し得ないアイデアがぽんぽん出てくるんです。周りの人間はついていくのは大変なんですけどね(笑)。けれど、やる前にアイデアがないと何にもできないし、小山社長のアイデアについていくのが楽しいんです。」

 

そう語ってくれたのは、小山土木の現場監督を担う岸田隆裕さん。(写真左)

御杖村出身で、名張で土木の仕事をしていましたが、昔から付き合いのあった小山社長に声を掛けられ、2023年6月から小山土木に入社。

小山土木で現場監督を担いつつ、『曽爾村の環境を守り隊』の事業にも関わっていくキーパーソンです。

 

「人の役に立ちながら、自分も楽しく仕事をしていきたいよね。手探りで色んなことをやっていって、うまく引っかかったら良いと思っています。思いついたことを深く研究したりする時間はないから、できることからとにかくやってみる!そんな心意気で、『曽爾村の環境を守り隊』の事業内容を色々と考えました。」

 

 

『曽爾村の環境を守り隊』の事業内容(案)

───『曽爾村の環境を守り隊』は、村の「企業研修型地域おこし協力隊」という制度を活用して隊員を募集しているんですよね?実際にどういった業務内容になるのか教えてください。

 

「現段階では主に『空地・田畑の維持管理補助』『イベント企画・実行』『有害鳥獣駆除』『山林の伐採・林道の維持管理』『空き家の整理』などを想定していて、協力隊制度における3年間の任期の間に、協力隊員が将来的に自身の力で事業を回していくことができるスキルに身に付けてもらう予定です。」

 

■空地・田畑の維持管理補助

「高齢で草刈りなどができない」「地元を離れている為に維持管理ができない」

そういった方のお手伝いを実施。

 

■イベント企画・実行

季節に合わせたコンテンツを企画し、浅く広く遊び感覚で開催。

(例)

春:山菜採り、タケノコ掘り

夏:ホタル観賞、昆虫採取

秋~冬:こんにゃく作り、餅つき   等

 

■有害鳥獣駆除

猪や鹿などの大型の有害鳥獣ではなく、イタチやタヌキなどの小動物や、蜂の巣の除去など。

 

■山林の伐採・林道の維持管理

木の伐採、林道の維持修繕や水路清掃の補助作業。

 

■空き家の整理

年々増え続ける空き家は家主が村外に住んでいる場合が多く、放置状態になったり家の管理のために帰村して、なんとか建物を維持しているのが現状。

そういった空き家の依頼を受け、屋内外の整理・片付けの補助を実施。

 

───多岐に渡る業務内容ですが、どれも地域住民が喜びそうな内容ですね。

 

「過疎化と高齢化が進む村だからこそ、誰かしらが誰かの助けを求めているはずなんです。村のあらゆるところに転がっている『困ったなぁ』『これがあったら良いのに』といった些細なことに気が付いて、できることから行動していく。そう思ったら、こんなにもたくさんの事業が出てきました。」

 

───今回の募集で、求める人材像はありますか?

 

「今お話ししたような事業内容以外にやりたいことがあるのであれば、その人が何をしたいのかを優先していきたいと思っています。

ただ、やりたいことを実現するには経験と資格が必要になることもあるので、狩猟や林業など、現場で活かせる経験や資格を有していると尚良いかもしれませんね。現在資格を持っていなくても、入社してから取得してもらっても大丈夫です。」

 

───企業研修型地域おこし協力隊の任期は3年間で、その間はお給料など色々と制度が充実していますが、4年目からは自走していかなければならないんですよね?

 

「そうですね。将来的に『曽爾村の環境を守り隊』を法人化していきたいと考えているので、その際に会社のトップを担ってもらう存在が、今回募集している人材です。

そうなると、小さなビジネスチャンスや村内での需要に気が付き、先のキャリアを見据えて働ける人が望ましいですね。」

 

着任した協力隊員が、4年後には『曽爾村の環境を守り隊』のトップとして自立し、事業を安定・展開させていくという重大な任務を背負っていますが、3年間は様々な経験を積んでもらうことを重視し、最大限のバックアップを行っていくとのことです。

 

「曽爾村の環境を守る」

小山社長のこの想いに沿って、自身で様々な事業を切り拓くことができ、やりたいことには全力でバックアップをしてもらえる体制がここには整っています。

 

「地域に貢献したい」

「身体を動かす仕事がしたい」

「将来的に経営目線でビジネスを展開していきたい」

 

そんなキャリアを描きたい方、熱意を持っている方、ぜひご応募ください。

 

募集要項

募集終了