曽爾村での新たな販路・品目での野菜作りにチャレンジするパートナー募集

曽爾村での新たな販路・品目での野菜作りにチャレンジするパートナー募集

奈良県の東部に位置している曽爾村。

中山間地域ではありますが、青蓮寺川を挟んで左右には田畑が広がり、のどかな田舎ならではの景色が広がっています。昔からトマトやホウレンソウの産地として有名な曽爾村ではありますが、実はその他にもいろんな野菜が育てられて出荷されている。今回の記事はそんなおはなしです。

イタリアンレストランなんかに行った時に出てくるサラダって、普段スーパーで見かけないような野菜がお皿の上に並んでいたりしますよね。そんな野菜を作っておられる農家さんの下で研修を積みながら、4年目に新たな品目の責任者として育っていただく。これまで農業の経験がなくとも大丈夫。ベテランの指導を受けながら新規就農を目指したい、そんな農業に関心のある方には、ぜひ読んでいただきたいお仕事です。

「実は僕はもともと繊維関係とか人形関係のお商売に携わるサラリーマンだったんですよ。実家は曽爾にあったんですが、Uターンで戻ってきてはじめはホウレンソウなどを作っていました。ただ、いろいろと新しいものに興味があって、平成21年に、オランダの種苗会社が提供している『サラノバレタス』の種を個人としては日本で初めて入手することができて栽培を開始するとともに、「山浦農園」を設立しました。」

そう話してくれたのは、山浦農園の山浦さん。

山浦農園の山浦さん

曽爾村地域総合センターの地域交流スペース『BENCH』でお話を伺わせていただきました。

-『サラノバレタス』という名前、初めて聞きました。

「『サラノバレタス』とは、種苗会社出展の展示会で出会いました。種苗会社から種を提供するには「プロの農家」「エコ栽培・有機栽培」「ライセンス契約」の条件を提示され、「素人農家は種が手に入らない」という魅力に逆に魅かれて、自分だけの野菜ができるという喜びにウキウキと帰宅したことを今でも覚えています。」

「ただ、簡単には種の入手が出来なかったんです。当時、種苗会社とのライセンス契約は法人に限られてしまっていて、なんとかできないかと思って、栽培後に販売先になる予定の法人の担当者にアタックして、種苗会社とのライセンス契約をお願いしたんですが結果は不成立。。。そりゃそうですよね、勝手に法人から個人に渡したことがバレると怒られちゃいますから(笑)。」

「でも、同行してくれた種苗会社の日本法人の担当者がわたしの熱意を汲んでくれて「交渉してみます!」と言ってくれ、なんと契約が成立、ようやく栽培可能となったんです。」

サラノバレタス

-すごい。山浦さんの熱意があるからこそ実現したんですね! ちなみに、『サラノバレタス』はどちらで販売されておられるんでしょうか?

「直売所が主体です。独特な商品ですので自分で値付けができますし、他のレタスと比べると3割から5割ほど高めに設定しても順調に売れています。ただ、5月~6月の一般的な玉レタスが安く並ぶ時には売行きが低迷しますね。」

-玉レタスとの競争になるんですね。

「そうです。ですので、新たな販売先を探すことにしました。そのころ、農林水産省が6次産業化を進めており、近畿農政局が6次産業化の促進に向けた展示会を開催されていたんです。私もそちらに出展したところ、そこで出会った飲食店オーナーから、「飲食店向きのレタスだね!」と言っていただき、採用していただけることになりました。現在のターゲットがフレンチ・イタリアンレストランになっているきっかけでもあるんですよ。」

-それはすごい!プロ向けの食材として認知されるようになってきたんですね。

「でも、そんなうまくばかりは行かないんですよ。卸事業者への販路開拓の営業活動をしたときなんかは、担当者から「安心・安全は当たり前、それ以外にセールスポイントは無いのか?」とか「野菜の特徴はいらない、食べ方・調理方法でお勧めは無いのか?」など、手厳しい意見を頂戴することもありました。」

-おぉ、おっしゃることはもっともですが、なかなか手厳しいですね。

「でも、飲食店オーナーさんからは「美味しい料理には、美味しい野菜が要る!調理の味付けには限界がある、だからこそ美味しい野菜を求める!」等、励みになるお言葉を頂戴することもありました。その経験から、現在の山浦農園のポリシー(基本理念)が生まれたんです。」

  • ①農業とは、野菜という商品を作る製造業である
  • ②単なる野菜では、価格が通らない
  • ③売れる野菜ではなく、求められる野菜つくり
  • ④セールスポイントは、ターゲットが有ってこそ価値が出る

「この4項目の考え方が、飲食店への営業活動でオーナー様に好印象を与える結果となり、おかげさまでお取引店舗が毎年増えています。」

-いろんな方といろんなお話しがあったからこそ、このような確固たるポリシーが出来上がったんですね。

これまでの事業の輪郭が見えてきたところで、今回の企業研修型地域おこし協力隊ではどのような新規事業を展開され、そしてどのような人材を求めておられるのか、気になりはじめました。

-さて、今回はどのような事業を始めようとされておられるのでしょうか。

「新野菜『リトルジェムレタス』と呼ばれる結球系リーフレタスが持つ加熱調理向きの特性を活かして、加工事業者をターゲットに栽培したいと考えています。また、令和7年より試験中の九条ネギ栽培受託を曽爾村で定着させていきたいとも考えています。両野菜ともに、加工事業者向けの野菜栽培とした位置づけで、曽爾村に新たな栽培体系と販売手法(加工業務用野菜)を構築する取組になります。」

リトルジェムレタス

-商品も販路も曽爾では新たな分野に踏み込まれるんですね!もうすこし詳しくそれぞれについて教えていただけますか。

「『リトルジェムレタス』については、令和6年に種苗会社から栽培依頼をいただいたところから話が始まります。東京の卸事業者から「周年供給できる産地が出来ないか?」との要望があることを聞き、実は令和7年より試験栽培を始めているんです。試験栽培野菜を一度展示会でPRしたところ、サンプル品の送付先から「美味しい」「取り扱いたい」との高評価を受け、令和8年から本格栽培を決定したところです。」

「『リトルジェムレタス』の特徴は、加熱調理で食べることができるところなんです。90歳を超える母に、4つに切り分けた『リトルジェムレタス』をホットプレートで焼いて食べてもらったところ、「美味しい、美味しい」といって、切り分けた4つを全部平らげてしまいました(笑)。それで、この商品は行ける!と確信したんです。「加熱調理で食べるレタス」という意外性とインパクトが提供できる商品だと考えています。」

-なるほど、お母さまのお話は面白いですね。そして、確かに加熱して食べるレタスは耳にしたことがなかったです。九条ネギについても教えていただけますか。

「九条ネギは、令和7年に役場の農業担当者から「九条ネギの栽培をして欲しい業者が来村するので一緒に話を聞いて欲しい」との相談を受けたところから話が始まりました。京都の法人さんで「九条ネギの栽培を請負って欲しい。収穫は当社で行います」という内容に、試す価値があると思い、試験栽培をはじめているところです。」

九条ネギ

-収穫はやってくれるんですね!(笑)そのような引き取り方があるなんて、こちらも初めて耳にしました。ちなみに、企業研修型地域おこし協力隊として、こんな方に来ていただきたい、などありますか?

「今回の取組みは、野菜を育てるだけではありません。曽爾村の野菜出荷はJAを経由した市場流通が主体となっていますが、定量・定価・定質・定時を求める加工業務事業者へ販売する新たな流通モデルを創出する取組みになります。ゼロからのスタートとなり栽培管理・品質管理など自然相手の栽培から前途多難な事象が出てくるでしょう!如何なる時でも立ち向かう挑戦心が折れない強い心が必要です。」

「地域おこし協力隊員の研修期間3年間で、事業展開の基盤づくりも成し遂げる必要があり、夏の暑さにも負けない体力と、自然と向き合い天候の変化に対応できる柔軟性が必要です。成し遂げるというモチベーションを維持する為の工夫と強い心をお持ちの方の応募をお待ちしています。」

-たしかに、新しい事業を立ち上げるとなると、挑戦心が強い方が向いていそうですね。

そして、最後に話を伺わせていただいたのは、将来的な展望について。協力隊を卒業される4年目以降、隊員にはどのようになっていただきたいか、山浦さんに伺ってみました。

「研修期間終了後の4年目からは、基本的に山浦農園の雇用となります。そして、『リトルジェムレタス』『曽爾産 九条ネギ』の栽培管理責任者となり、日々の栽培管理・収穫・出荷調整等の業務を担っていただきます。研修期間中の3年間で多岐に渡る失敗を数多くしてください。失敗という経験が、4年目からの業務責任者としての知識という財産となるでしょう!なお、独立をご希望される場合も可能です。」

山浦さん

-どんどん失敗してほしい!新規事業には失敗がつきものですが、初めからそんな言葉を言ってくれる事業主のもとで働けるのは何とも安心できますね。そして卒業後はご自身のご意向に応じて独立も可能とのこと。現役の農家さんの下でしっかり修行をしたからこそ、卒業後は地に足をつけて盤石な基盤をもって農家になることができそうです。

曽爾村で新しい農業をはじめ、これからもまた新しい形を模索している山浦さん、そして次世代を育てていく常に先を見据え続ける姿勢が心に残りつつ、農場をあとにしました。

おしまい

募集要項

企業名

曽爾村(山浦農園)

募集職種

企業研修型 地域おこし協力隊

募集期間

〜2029年1⽉末

雇用形態

曽爾村から業務委託

委託費

⽉額291,000円

採用予定人数

1名

選考プロセス

応募
↓
面談(山浦農園)
↓
面接(曽爾村長)

本件問い合わせ先

曽爾村役場 総務企画課
電話番号:0745-94-2101
メールアドレス:kikaku@vill.soni.lg.jp