──お二人は最初、村内の別の大字に住まれていて、今は「太良路」に引っ越されましたよね。それぞれの大字の違いを感じることはありますか?
✦大字(たいじ):集落のこと。曽爾村には9つの大字がある。
悟さん
「以前の大字にある賃貸住宅から引っ越し、太良路の今のお家を購入してからちょうど1年。同じ曽爾村でも、大字や住居の場所によって、ご近所付き合いのあり方が変わるんだなぁと実感する日々です。」
杏奈さん
「主に畑作業をしているときに違いを感じるかも。前のお家の時は、家の敷地内に畑があって、そこで家庭菜園をしていたので、誰かと会ったりお話しする機会が畑に出ていてもあまり無かったんです。
今は家から少し離れたところの畑を借りているから、畑へ作業しに行く道中で地域の方と会って挨拶したり、使わせてもらっている畑の両サイドも別の方の畑だから、お互い『何作ってるの~』って会話ができるんです。」
悟さん
「毎朝6時~7時くらいに夫婦で畑作業をしているのですが、その姿を近所の人が見てくれているらしいんですよね。『上田さんとこ、毎朝畑いっとるで』と、近所の方が話していると人づてに聞いたこともあります。畑をする環境が変わるだけで、こんなにも地域の方と接したり、認識してもらえる機会が増えるんだなぁ、と。また、皆さんが好意的に思ってくれているのも嬉しいです。」
杏奈さん
「村入りしたのも大きいよね。以前は賃貸だったので、地域住民さんからすると、『いつ出ていくか分からない』という印象を抱かれていたのかもしれません
今は家も購入し、村入りすることで、こちらが変わるというより、地元の方々からの見られ方が変わったような印象を受けます。皆さんがグッと親近感を寄せてくれる感じ。」
✦村入り(むらいり):正式にその集落の一員になること。数年かけて村入りするケースが多く、村入りするか否かは総代さんと相談できる。
そんな話題の最中、タイミングを見計らっていたかのように「こんにちは~」と玄関先で声が響きました。
上田夫婦のお家のすぐ真下に住んでいる、同じ組の「岡田さん」が、溢れんばかりの自家栽培野菜を抱えてふらりとやってきたのです。
✦組(くみ):大字の中にはいくつかの地区に分かれた「組」がある。